三千院で呼び習わされている「御所車」を作品名とした。片面には牡丹、椿、山吹、藤、紫陽花、百合、桔梗、鶏頭、菊、萩といった春から秋の花々が極彩色で描かれ、裏面には冬に果実をつける千両が控えた色調で描かれている。絵画の部分が容易に取り外しできる構造になっており、台座は桃山から江戸時代の作と見たい。雪佳(1866−1942)は近代に琳派をよみがえ蘇らせた画家であり、漆器・織物・室内装飾などあらゆる工芸分野のデザイナーとして名声をは馳せた人である。この作品においても工芸と絵画の美が一体となり調和している。
(平成大修理完成記念「京都大原・三千院の名宝展」図録より抜粋) |