展示・行事 exhibition 円融蔵展示室

所蔵文化財の保存活用を目的とした
収蔵・展示施設「円融蔵」のご案内です

三千院では天台宗開宗千二百年、当院開創千二百年慶謹を記念し、
一寺院「一願一行」事業の一環として、所蔵文化財の保存と活用を目的とした
収蔵・展示施設の建設が国庫補助事業として、平成18年10月16日に完成しました。

当院の経蔵「円融蔵(えんにゅうぞう)」には三千院開創以来、仏教・国文・国史や門跡寺院特有の皇室の記録や史伝等、中古・中世・近世にわたって書写され蒐集された典籍文書を多数所蔵しております。 殊に、大原の地は慈覚大師円仁により天台声明の根本道場が開かれ、のち融通念仏を広めた聖応大師良忍が「声明」を集大成したところです。 「念仏」の聖地、祈りの里として極楽往生を願う人々の憧れの里となってきました。その中心的存在であった「往生極楽院」には弥陀三尊の頭上に極楽浄土を表す天井画が描かれています。 今では肉眼ではかすかな痕跡しか見られませんでしたが、展示室内に現存最古と云われる山形に板を貼った「舟底型天井」を原寸大に設え、藤原時代の人々が、現世に往生極楽を願い、浄土思想に基づいて描かれた天井画を創建当時の極彩色で復元いたしました。 ご参拝される皆様それぞれに、古の文化に思いを馳せていただく空間となれば幸甚です。

当院の経蔵「円融蔵(えんにゅうぞう)」には三千院開創以来、仏教・国文・国史や門跡寺院特有の皇室の記録や史伝等、中古・中世・近世にわたって書写され蒐集された典籍文書を多数所蔵しております。
殊に、大原の地は慈覚大師円仁により天台声明の根本道場が開かれ、のち融通念仏を広めた聖応大師良忍が「声明」を集大成したところです。
「念仏」の聖地、祈りの里として極楽往生を願う人々の憧れの里となってきました。その中心的存在であった「往生極楽院」には弥陀三尊の頭上に極楽浄土を表す天井画が描かれています。
今では肉眼ではかすかな痕跡しか見られませんでしたが、展示室内に現存最古と云われる山形に板を貼った「舟底型天井」を原寸大に設え、藤原時代の人々が、現世に往生極楽を願い、浄土思想に基づいて描かれた天井画を創建当時の極彩色で復元いたしました。
ご参拝される皆様それぞれに、古の文化に思いを馳せていただく空間となれば幸甚です。

  • 常設展
  • 過去の展示

常設展

現在常設しております展示物のご紹介です。

御所車衝立

一基 安土桃山-江戸時代 画・神坂雪佳筆 紙本着色 134.0×143.0×62.0 御所車衝立 三千院で呼び習わされている「御所車」を作品名とした。 片面には牡丹、椿、山吹、藤、紫陽花、百合、桔梗、鶏頭、菊、萩といった春から秋の花々が極彩色で描かれ、裏面には冬に果実をつける千両が控えた色調で描かれている。 絵画の部分が容易に取り外しできる構造になっており、台座は桃山から江戸時代の作と思われる。 雪佳(1866-1942)は近代に琳派を蘇らせた画家であり、漆器・織物・室内装飾などあらゆる工芸分野のデザイナーとして名声を馳せた人である。この作品においても工芸と絵画の美が一体となり調和している。

過去の展示

過去の展示物のご紹介です。

2006年度 秋季特別展

 

十王像

十王像 室町時代 絹本着色 中国唐代末から五代にかけて、10人の王が亡者を裁くという信仰が成立し、我国でも鎌倉時代には定着した。各幅の中央に王とその臣、上部の円相内に各王の本地仏、下部に地獄や餓鬼、修羅などの苦しみを描く。
                                   

往生極楽院千仏図

往生極楽院千仏図 平安時代 板絵彩色 往生極楽院内には種々の壁画が絵がけれているが、 これは外陣長押上小壁に描かれた板絵の千体仏。 それぞれの画面には縦五段に施無畏・与願の印を結んだ 朱衣の如来と白衣の如来が互い違いに描かれている。
   

往生極楽院装飾板

平安時代 板絵彩色 往生極楽院には天井、来迎壁、柱、長押などに さまざまな絵画や文様が彩色されていたが、 これは創建当初に内陣長押などに打ち付けられた薄板で、 蓮華文などの装飾文様が描かれている。
   

阿弥陀二十五菩薩来迎図

鎌倉時代 絹本著色 皆金色の阿弥陀如来と25人の菩薩、二人の彩色の僧形が来迎するありさまを描く。鎌倉時代中期に二十五菩薩和讃が唱われるようになり、二十五菩薩を伴う阿弥陀来迎図が盛んに描かれるようになる。
                     

恵心僧都像

室町時代 紙本著色 恵心僧都源信(942-1017)は9歳で比叡山に登り、高名な学僧となったが、世俗の名利を捨て、横川に隠棲。地獄極楽のありさま、極楽往生の方法を説く『往生要集』を著わし、のちの浄土信仰に大きな影響を与えた。
                     

安養尼像

江戸時代 紙本著色 安養尼は恵心僧都源信の姉妹。 熱心な浄土信仰者として知られ、『大日本国法華験記』や『今昔物語』には、 その修行のありさまやさまざまな奇瑞、極楽往生のありさまが伝えられている。
     

京都府指定文化財 阿弥陀聖衆来迎図

鎌倉時代 絹本著色 来迎する阿弥陀聖衆の向かう画面の右下には「立誉臨終正念」の墨書があり、 立誉という人物の臨終に際してこの来迎図が儀式に用いられた可能性が指摘されている。 また、画面上部には恵心僧都作とされる賛文がある。
       

天台大師像

江戸時代 絹本著色 智顗(538-597)。中国南北朝-隋代の僧、天台宗の教義を確立する。 智者大師、天台大師と称される。その肖像は最澄により我国に伝えられたと考えられ、 その写本が数多く伝わり、これもその一つである。
     

伝教大師像

江戸時代 絹本著色 最澄(767-822)。日本天台宗の開祖。 三千院は最澄が比叡山東塔南谷の梨の大木のかたわらに円融房という草庵を建てたのに始まる。 三千院を梨本門跡、三千院の経蔵を円融蔵と呼ぶのは、その縁である。
     

極楽院勧進帳写


往生講私記


三千院紅葉古口決


  • 重要文化財不動明王立像(ふどうみょうおうりゅうぞう) 
    一躯 鎌倉時代
    木造 像高98.0
    不動明王は、密教の主尊である大日如来の使者として真言行者を守護する尊格です。 本像は腰をやや右にひねり、左足を踏み出して立ち、右手に剣、左手に索(さく)を持ちます。髪は券髪で弁髪を左肩に垂らすお姿です。 木造の特徴のひとつとして、腰にまとう裳の衣文が浅いながらも、変化に富んでいることがあげられます。慈覚大師円仁の作と伝わります。
  • 重要文化財救世観音半跏像(ぐぜかんのんはんかぞう)
    一躯 鎌倉時代 
     木造 像高72.0
    鎌倉時代の寛元四年(1246)制作の木造仏で、頭頂に髷(まげ)を作らず、袍衣(ほうえ)や裳(も)の形式、衣文(えもん)など、忠実に飛鳥・白鳳時代の古式を表しており、四天王寺創建当時の本尊像を模していることがわかります。 なお、梶井宮門主は四天王寺別当を兼ねることとなっており、本像もその関係から三千院に伝わったと考えられます。